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リモコンよもやま話

リモコンの現状

リモコン(ここでは赤外線リモコンの事)は今や皆さんの生活になくてはならない、生活必需品になっていると思います。(TVの設定にはリモコン必須、ビデオの予約はリモコンからしか行えない、DVDレコーダーは本体だけでは操作困難、安いTVに至っては本体にチャンネルや音量ボタンすら無い事態に・・・)
リモコンといっても、最も一般的な付属リモコン(TVを買うと付いてくる安そうなリモコン)から、市販されているいろいろなメーカーに対応した多機能リモコン、他のリモコン信号を読み込ませて使う学習リモコン等々、単純にリモコンと言っても色々な種類があります。
多機能リモコンや学習リモコンといった分類であれば、お客さんも理解して購入していると思います。しかし、ポピュラーなリモコンの割には分からない点もあると思います。ここではそんなリモコンに関するよもやま話を書いてみます。
リモコンは日常生活の中で、かなり過酷な環境の中でも動くように、結構丈夫に設計してあります(床に落としたり投げられたり、又は水がかかったり等)。
また、部品も必要最低限まで少なくしているため、部品の故障によるリモコンの故障はほとんどありません。
そのため構造が単純なリモコンは、コンピューターが進化した昨今、多少の電気回路とソフトの知識があれば誰でも手軽に作れるようになってしまいました。
その結果、今ではリモコンを開発、製造をしているメーカは多数あります。長い間積み上げてきた技術的ノウハウがあるメーカー製も有りますが、見よう見まねのコピーメーカー製、品質に問題のあるリモコンなど、品質の差も多く見られる状況です。
実際、あるメーカーが設計したリモコンを調べると、リモコンとしては信号を送信していますが、信号の変動幅の大きい物があります。
一方、受信側はある程度の変動を見込んで設計されているので、一応受信はします。しかし、リモコンとしては信号の規格を逸脱しています。
これはリモコンに関するノウハウがないため、おそらく他のリモコンの信号を見よう見まねで送信しているためだと思います。
また、リモコン信号は操作対象機器が同一であれば、違うボタンでもリモコン信号のおおよその形は同じパターンとなります。しかしリモコンによっては全然異なった信号パターンを送信している物すらありました。
逆にこれはこれで「よく動くなぁ」と感心してしまいました。
つまり、普段私たちが使っているリモコン一つとっても、物によって品質には大きなばらつきがあるということです。
安いリモコンは安いなりの理由が、高いリモコンには高いなりの理由があると言う事につながるかもしれません。
弊社ヘルツのリモコンは、実直に正規に高品質なリモコンを日本国内で作っております。

※規格を外れた信号を受けられる受光部というのは、それだけ信号の変化に対して大きい変動を許しているということになります。そのため、本来であれば違う信号として判断し動作してはいけない信号を、正しい信号と誤解して動作してしまう可能性が高くなります。以前あったハロゲンヒータのリモコン誤動作による出火事件は、こうした要因もあったのではないかと考えさせられます。

リモコンの利点と問題点

赤外線リモコンの利点

赤外線は光の特性を持っているため、遮蔽や発光方向、到達距離の制御が容易に行えるため、いろいろな用途に対応することが可能です。
また、無線のように信号が四方八方に飛ばないため、盗聴される可能性を低く抑えることが出来ます。電波リモコンのように法的規制が基本的に無い※1ため、容易に制作が可能なため開発費を抑えることが出来ます。

※1.基本的に無いと書いたのは、電流が一定値を超える場合、出荷できないという限定的な規制があるためです。
ただし、現実のリモコンでこれに引っかかる可能性がある物はないので、実質無いと言っても問題ないでしょう。


赤外線リモコンの問題点

赤外線は物を透過する能力が低いため、障害物があると遮蔽されて受光部に届きません。
また、屋外から操作したい場合や屋外で操作する装置は、受光部分が外界に曝されることとなり、雨風や直射日光など耐環境性が問題になります。(場合によっては、故障の原因になります。)


電波式リモコンの問題点

電波には特殊な性質があるため、近くより遠くの方が受けやすい、人によって距離がばらつく、リモコンの向きによって受け方が変わってくる等の問題が出る場合があります。
また、既存の赤外線リモコンを電波式リモコンで置き換えようとした場合、日本国内だけで10億台出回っている(※独自調査)とも言われる赤外線リモコンを、本当に置き換えられるのか? という問題もあります。
電波と赤外線の間に互換性はありません。回路を電波と赤外線の両方に対応させるとなれば、回路が2重となりコストが上がります。また、電波リモコンに置き換えた場合、今までの赤外線リモコンは利用できなくなります。(※もちろん機器一式買い換えで使えなくなるのは問題では有りませんが、お客さんが多機能リモコンを購入して使っていた場合、このお客さんの資産(ここでは多機能リモコン)は全く使い物にならなくなるので、資産価値を失うという事になります。)
そのため、既存の赤外線リモコンを、電波リモコンに置き換えるのは苦難の道と言えます。


電波式リモコンの利点

電波は無指向で飛ぶため、受信部が近くにあればどこからでも操作が可能になります。
ほかにも、電波は物を透過する能力が高いため、途中に壁などの遮蔽物があっても操作を行うことが出来ます。これを応用すれば、屋外で操作する装置でも、受信機だけ屋内に設置したり、雨風が入らないように完全に密閉構造にしても操作可能な装置を作ることが可能です。